我が子を通わせるとしたら大規模校と小規模校どちらを選べばいいんだろう?
そう考えたことはありませんか?
私は、小学校教員として大規模校(児童数1,000名超)に5年間、小規模校(児童数200名弱)に8年間勤めました。
今回は私が教員としての経験から、
◯大規模校のメリット・デメリット
◯小規模校のメリット・デメリット
についてお伝えします。
「大規模校と小規模校のメリット・デメリットがわかったよ!」
「我が子は◯規模校に通わせよう!」
と思ってもらえるとうれしいです。
それでは、本題に入りましょう!
大規模校のメリット・デメリット

そもそも大規模校ってどういう学校のことを言うの?
文部科学省によると大規模校とは一校あたり25学級以上の学校を指すということです。

およそ1学年あたり4学級くらいある学校は大規模校と言うことですね。
私が教員目線から感じた大規模校のメリット・デメリットは次の通りです。
大規模校のメリット
①いろいろな人と関わることができる。
25学級以上ある学校は何百人もの人たちと関わることになります。
いろいろな人に出会い、いろいろな生き方、考え方に触れることができるのは大きなメリットです。
私が受け持った子どもの保護者でこんなことを話している人がいました。

◯◯くんがとても丁寧に字を書いているのを見て、それまで字が汚かった息子が字を丁寧に書くようになったんですよ。
人との出会いが自分のやり方、生き方を変えることもあります。
自分にとって良い刺激を受けることのできる友達が見つかる可能性が高いのは大規模校かもしれません。

親や先生から言われるのではなく、子どもが友達のよさを自分で見つけて取り入れようとする姿は理想的ですよね。
②友達と相性が合わなくてもクラス替えがある。
クラスに30人子どもがいたとして、自分の子どもは誰とでも相性がよい、仲が良いという状況が生まれることはまずありません。多少相性が合わないくらいだと特に問題はないかと思いますが、自分の子どもが同じクラスの子にいじめられていたらどうでしょう。

あの子はウチの子をいじめてくるから、来年は同じクラスにしないでほしい!
こう思うのは当然ですよね。この場合、学校側に「来年度はクラスを一緒にしないでほしい。」と学校に要望すると、学校側が要望を聞き入れてくれる場合が多いです。

あまりにたくさんの要望を出されると教員がクラス替えの際に困ってしまうので、良識の範囲内でお願いします🙇
大規模校のデメリット
①人との関わりが浅い
クラス替えがあるということは、仲の良かった友達と離れ離れになる可能性が高いということです。
私が担任してきた子の様子を思い返してみると、クラスが変わって仲の良かった子と離れると、別の子と仲良くなるというケースが多かったように思います。
いろいろな子と仲良くなれるのは良いことだと思うのですが、一方で「6年間ずっと仲が良かった」などということはかなり珍しいのではないかと思います。
②下学年への思いやりが薄い
私は大規模校と小規模校どちらも6年生の担任をしたことがあるのですが、大規模校の6年生はそこまで1年生に深く関わろうとしませんでした。1年生に限らず、他の下学年との関わりがあまり見られなかったように思います。同学年のメンバーだけでも100人以上いるので、他の学年とあえて関わろうとしなのかなと思います。そのため、「下学年のためにがんばろう。」「最高学年としてがんばっていこう。」という気持ちがあまり見られませんでした。
小規模校のメリット・デメリット

小規模校ってどんな学校のことを言うの?
文部科学省によると大規模校とは一校あたり6〜11学級の学校を指すということです。

およそ1学年1〜2学級程度という感じですね。
私が教員目線から感じた小規模校のメリット・デメリットは次の通りです。
小規模校のメリット
①同学年の友達との関わりが深い
クラス替えがない、もしくはクラス替えをしてもほとんどメンバーが変わらないため、1年生〜6年生までずっと仲が良い子どもも多く見受けられます。最近、私が過去に6年生で担任した子と偶然出会ったのですが、

今でもあいつら(同じクラスだったメンバーたち)とずっと仲がいいんですよ。
と話してくれました。卒業して7年も経つのに、仲がいいのは本当にうらやましい限りだなと思いました。小規模校ならではのメリットかなと思います。

私自身は小学校は大規模校出身ですが、小6のとき誰が一緒のクラスなのか思い出すことも難しいです・・・。
②子ども・教員・地域の関わりが深い
小規模校は学校全体の人数が少ないため、学校ぐるみで付き合うような雰囲気です。

イメージは「大規模校の1学年の人数=小規模校全体の人数」という感じです。
教員は、自分の担当する学年だけではなく、他の学年の子どもたちにも積極的に関わっていきます。

担任だけでは指導しきれない部分を、他の先生方にフォローしてもらうことも多いです。
地域の方も学校全体の人数が少ないため、基本的に子どもたち全員の顔や名前を知っています。
ですから、積極的に子どもに声をかけてくれますし、ゲストティーチャーとして学校に来てくれたり、学校行事に進んで関わってくれたりします。

たくさんの目で子どもたちを見守ってくれるのは、
保護者にとってうれしいですよね。
小規模校のデメリット
①クラス替えがない
いじめやトラブルがあったときにかなり厳しい状況に立たされます。
1学年に1学級しかない学校はクラス替えがありません。前述したように大規模校ではクラス替えの配慮を学校に要望することができますが、小規模校ではできません。

保護者
ウチの子をいじめた子と一緒のクラスにしてほしくないけど、クラス替えがないからしょうがないですよね・・・。
とつぶやき、仕方なくあきらめる保護者を何度も見てきました。

近くの席にしない、同じグループにならないようにするなど多少配慮することはできますが、配慮に限界はあります。
また、クラス替えがないため人間関係が固定化されてしまいがちです。仲が良い友達とは仲良くするけど、他の子とはあまり深く関わらなかったというような子どももいました。
②刺激が少ない
6年間同じメンバーで過ごし続けるので、刺激が少ないです。
大規模校だと、新年度になって新たな友達と出会うことで刺激を受けるがあるかと思いますが小規模校は新年度になって変わるのは担任の先生だけです。

大規模校はクラス替えがあるため、担任も子どももみんな緊張した雰囲気で新年度を迎えますが、小規模校はクラスのメンバーが変わらないため、子どもたちはリラックスした状態で担任を迎えてくれます。
リラックスした状態で過ごすことができるのはよいことだと思います。
一方で、メンバーが変わらないため自分がしたことのない遊びや趣味、いろいろな考え方や生き方に触れる機会は大規模校に比べるととても少ないかと思います。
まとめ
大規模校と小規模校のメリット・デメリットについてお話ししてきました。
ざっくり言うと、
「我が子にはいろいろな人に出会い、揉まれながら育っていってほしい」なら大規模校。
「我が子には人と深い関係を築きながら育っていってほしい」と思うなら小規模校。
という感じかなと思います。
この記事が参考になればうれしいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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