こんにちは、小学校教員のさぬーです。
これまで15年間、6年生の担任を何度も経験し、たくさんの受験生を見てきました。
11月。いよいよ受験本番まであと2か月。
教室の空気も、少しずつ張り詰めてきます。
この時期、子どもたちの表情には緊張と焦りが入り混じるようになります。
しかし実は、ここからぐんと伸びる子もいます。
現場で受験生を送り出してきた中で感じるのは、
「最後の2か月で伸びる子には共通点がある」ということ。
今回は、現役教師としての経験から
「最後に伸びる子と伸びない子の違い」
「この時期に親ができること」
についてお話しします。
◆最後に伸びる子の共通点は「粘り続けること」
直前期に一番伸びるのは、意外にもずっと成績が順調だった子ではありません。
むしろ、
- 模試で思うような結果が出なくても、「もう少しやってみよう」と粘る子
- 授業中に間違えても、素直に次の方法を考え直せる子
こうした子は、受験直前まで力を伸ばしていきます。
■Aくんの例:落ち込んだ秋からの大逆転
以前担任していたAくん。
秋の模試で結果が安定せず、自信を失いかけていました。
そのとき私はA君にこう伝えました。
「先生も直前の模試で成績が悪かったことがあったよ。
でも、間違えた問題を何度も解き直すことで自信につながり、最終的に合格できたんだ。
A君ならきっとできるよ。」
A君は静かに「もう少しがんばってみます」とつぶやき帰っていきました。
それからのA君は、
・わからない問題を自分から質問しに来る
・授業中の間違いを何度も解き直す
という姿勢に変わっていきました。
12月から成績は一気に上昇し、最終的には第一志望に合格。
この“粘る力”こそ、最後に伸びる子の最大の特徴です。
◆最後に伸びない子の特徴は「成績に一喜一憂すること」
逆に、直前期に伸び悩む子にはある共通点があります。
それは、
成績が上がれば有頂天、下がればすぐに落ち込む。
という「一喜一憂タイプ」。
■Bくんの例:気持ちの波が成績を崩したケース
Bくんは、テストの結果が良いときは私のところへ嬉しそうに来ました。
しかし、悪い結果のときはふてくされてしまい、
間違いには目を向けず、正解した部分だけに意識を向けてしまう。
日頃は悪くない成績でしたが、受験では力を発揮できませんでした。
■成績より大切なもの
成績が良かったときは 謙虚に受け止める。
成績が悪かったときは 「ここに伸びしろがある」 と考える。
この“姿勢”があるかどうかが、受験直前期の伸びを分けます。
さらに、
「親に言われたから受験する」子は伸びにくい。
「自分がやりたいから受験する」子は強い。
ここも大きな分岐点になります。
◆最後の2か月、親ができる最大のサポートは「安心感」
ここからは保護者の方へ。
この時期の子どもは、大人が思う以上にプレッシャーを感じています。
必要なのは「焦らせる言葉」ではなく、安心できる空気です。
■NGな声かけ(焦らせてしまう言葉)
- 「勉強しなさい!」
- 「勉強時間、足りてないんじゃない?」
- 「模試の結果、悪かったみたいだけど大丈夫?」
これは子どもの不安を増幅します。
■OKな声かけ(安心を与える言葉)
- 「◯◯ならきっと大丈夫」
- 「よくがんばってるね」
- 「今日はこんなに解いたんだね」
努力のプロセスを認める言葉が、子どもの自己効力感を高めます。
これは教育心理学でも証明されていることです。
■伸びる家庭の共通点
それは、
結果より“努力の姿勢”を見る親がいること。
以前の担任の保護者も
「昨日よりできるようになったところを褒めるようにしました」
と言っていました。
その子は本番で堂々と試験に臨み、見事合格。
◆「完璧な準備」よりも「諦めない姿勢」が子どもを伸ばす
残り2か月。
焦りや不安が募る時期ですが、最後の伸びは
子どもを信じて見守る姿勢から生まれます。
教師として断言できるのは、
完璧な準備より、諦めずに粘る姿勢が子どもを強くする。
この時期の努力は、合格だけでなく、
子ども自身の中に「自信」としてしっかり残ります。
どうか、親も子も笑顔で最後の2か月を走り切ってください。


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